路上で声をかけた女性に対する強制わいせつ容疑で在沖縄米海兵隊の男が逮捕された事件を受け、沖縄県議会の米軍基地関係特別委員会は16日、日米両政府に対する抗議決議と意見書案をまとめた。「米軍における隊員の管理体制が機能していない」として、実効性のある再発防止策の実施などを求める内容で、本会議で全会一致で可決される見通し。
また、女性支援などを行う県内外の34団体は同日会見し、米大統領や菅義偉首相あてに米軍撤退を求める要請書を送ると発表した。要請書では、2016年に沖縄で起きた元海兵隊員による女性殺害事件などに触れ、「軍隊が集中的に配備されることで女性への暴力は起こり続ける」と指摘。米軍が今回の事件後に「大多数の海兵隊員は規範を遵守(じゅんしゅ)している」と述べたことに対し、「形骸化しているのは明らか」と非難した。
市民団体「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(那覇市)の高里鈴代共同代表(80)は会見で「今回は女性が勇気を持って声をあげた。コロナ禍で基地外での行動も制限されていた。これまでの事件の記憶も生々しいなか、絶対に起きてはいけない」と話した。
一方、県警は16日、那覇市の国際通りで午前4時45分ごろ、停車中のタクシーのドアを蹴ってへこませたとして、米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)所属のジョセフ・サコー容疑者(23)を器物損壊容疑で現行犯逮捕し、発表した。容疑を否認しているという。当時はかなり酒に酔った状態で、受け答えがままならなかったという。在沖米海兵隊は現在、新型コロナ対策として基地外での飲食を制限し、国際通りを立ち入り禁止としている。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル